不定詞の発展用法と動名詞との違い|完了不定詞・受動不定詞・使い分けを解説

不定詞には、基本の「to+動詞の原形」だけでなく、完了不定詞・進行不定詞・受動不定詞などの発展的な形があります。

また、不定詞とよく比較されるのが**動名詞(動詞+ing)**です。どちらも「〜すること」と訳せる場合がありますが、使える動詞や意味が異なることがあります。

この記事では、不定詞の発展用法と、動名詞との違いを例文を使ってわかりやすく解説します。

不定詞の発展用法とは?

基本の不定詞は、《to+動詞の原形の形》です。

しかし、不定詞には次のような発展形もあります。

種類基本形主な意味
完了不定詞to have+過去分詞〜したこと
進行不定詞to be+動詞のing形〜していること
受動不定詞to be+過去分詞〜されること

それぞれ順番に見ていきましょう。

完了不定詞「to have+過去分詞」

《to have+過去分詞》

不定詞が表す出来事が、文の動詞よりも前に起こったことを表すときに使われます。

He seems to have forgotten my name.
彼は私の名前を忘れてしまったようです。
She is said to have lived in London.
彼女はロンドンに住んでいたと言われています。

最初の文では、
忘れた → 今そう見える
という時間関係があります。

つまり、forgottenという出来事はseemsより前です。

普通の不定詞との違い

He seems to be tired.
彼は疲れているようです。

→ 今、疲れている

He seems to have been tired.
彼は疲れていたようです。

→ 以前、疲れていた

このように、完了不定詞を使うと文の動詞より前の出来事を表せます。

進行不定詞「to be+動詞のing形」

《to be+動詞のing形》

「〜している」と、動作が進行中であることを表します。

He seems to be sleeping.
彼は眠っているようです。
She appears to be studying.
彼女は勉強しているようです。

普通の不定詞と比較すると分かりやすくなります。

He seems to sleep a lot.
彼はよく眠るようです。

He seems to be sleeping.
彼は眠っているようです。

進行不定詞では、その時点で動作が進んでいることを強調します。

受動不定詞「to be+過去分詞」

《to be+過去分詞》

「〜されること」「〜されるために」など、受け身の意味を表します。

I want to be invited to the party.
私はそのパーティーに招待されたいです。
This book needs to be read carefully.
この本は注意深く読まれる必要があります。

能動と受動を比較

I want to invite him.
私は彼を招待したいです。

→ 私が招待する

I want to be invited.
私は招待されたいです。

→ 私が招待される

「する側」なのか「される側」なのかを見ると、違いが分かりやすくなります。

完了・進行・受動不定詞を整理しよう

種類
普通の不定詞to+原形to study
完了不定詞to have+過去分詞to have studied
進行不定詞to be+ing形to be studying
受動不定詞to be+過去分詞to be studied

まずは形の違いを見分けられるようにしましょう。

独立不定詞とは?

不定詞が文全体を修飾し、話し手の気持ちや態度を表すことがあります。

このような表現を独立不定詞と呼びます。

代表的なものを覚えておきましょう。

表現日本語訳
to tell the truth実を言うと
to be honest正直に言うと
to begin withまず第一に
strange to say奇妙なことに
needless to say言うまでもなく
To tell the truth, I don’t like this movie.
実を言うと、私はこの映画が好きではありません。
To be honest, I was nervous.
正直に言うと、私は緊張していました。

独立不定詞は、文の主語や目的語になるのではなく、文全体に意味を加える決まった表現として覚えると分かりやすいです。

不定詞と動名詞の違い

不定詞と動名詞は、どちらも「〜すること」と訳せる場合があります。

●不定詞《to+動詞の原形》
I like to read.
私は本を読むことが好きです。
●動名詞《動詞のing形》
I like reading.
私は本を読むことが好きです。

このように、動詞によってはどちらも使える場合があります。

しかし、すべての動詞で自由に使い分けられるわけではありません。

不定詞だけを目的語に取る主な動詞

次のような動詞の後ろでは、基本的にto不定詞を使います。

動詞表現日本語訳
wantwant to ~~したい
hopehope to ~~したいと願う
decidedecide to ~~することを決める
planplan to ~~する予定である
promisepromise to ~~すると約束する
I decided to study abroad.
私は留学することを決めました。
She wants to become a doctor.
彼女は医者になりたがっています。

動名詞だけを目的語に取る主な動詞

一方、次のような動詞の後ろでは動名詞を使います。

動詞表現日本語訳
enjoyenjoy doing~することを楽しむ
finishfinish doing~し終える
avoidavoid doing~することを避ける
mindmind doing~することを気にする
give upgive up doing~することを諦める
I enjoy playing tennis.
私はテニスをすることを楽しんでいます。
She finished doing her homework.
彼女は宿題をやり終えました。

どちらも使える動詞

動詞によっては、不定詞と動名詞の両方を目的語に取るものもあります。

代表的なのが、
・like
・love
・begin
・start
・continue
などです。

I like to read.
私は読書をすることが好きです。
I like reading.
私は読書が好きです。

初心者の段階では、まずどの動詞の後ろにto不定詞・動名詞を置くのかをセットで覚えることが大切です。

不定詞と動名詞で意味が変わる動詞

一部の動詞は、不定詞と動名詞のどちらを使うかによって意味が変わります。

代表的なのがremember・stop・tryです。

remember

remember to do
→「忘れずに〜する」


remember doing
→「〜したことを覚えている」

Remember to lock the door.
忘れずにドアに鍵をかけてください。
I remember meeting him.
私は彼に会ったことを覚えています。

stop

stop to do
→「〜するために立ち止まる・今していることをやめて〜する」


stop doing
→「〜することをやめる」

He stopped to drink some water.
彼は水を飲むために立ち止まりました。
He stopped drinking.
彼は飲むことをやめました。
💡 ポイント

stop to doのto不定詞は、stopの目的語ではなく**「〜するために」という副詞的用法**です。
そのため、stop doingとは文の構造自体が違います。

try

try to do
→「〜しようとする」


try doing
→「試しに〜してみる」

I tried to open the door.
私はそのドアを開けようとしました。
Try pressing this button.
試しにこのボタンを押してみてください。

不定詞か動名詞かによって意味が変わるため、まとまりで覚えておきましょう。

不定詞と動名詞のイメージ

絶対的なルールではありませんが、理解の助けとして次のような傾向があります。

不定詞

これからすること・未来に向かう行動
と結びつきやすい傾向があります。

・want to do
・hope to do
・decide to do
・plan to do

動名詞

実際の行動・経験・継続していること
と結びつきやすい傾向があります。

・enjoy doing
・finish doing
・avoid doing

ただし、これはあくまで理解の目安です。

最終的には、どの動詞がどの形を取るのかを表現ごとに覚える必要があります。

✏️ 練習問題

問題1|空欄に適切な形を入れましょう。

He seems(   )my name.
to forget / to have forgotten

回答を見る

to have forgotten

「忘れた」という出来事がseemsより前に起こっているため、完了不定詞「to have+過去分詞」を使います。

問題2|次の英文を日本語に訳しましょう。

I want to be invited to the party.

回答を見る

私はそのパーティーに招待されたいです。

to be invitedは「招待される」という受動の意味を表しています。

問題3|空欄に適切な形を入れましょう。

I enjoy(   )tennis.
to play / playing

回答を見る

playing

enjoyの後ろにはto不定詞ではなく、動名詞を使います。

問題4|次の英文を日本語に訳しましょう。

Remember to call me.

回答を見る

忘れずに私に電話してください。

remember to doは「忘れずに〜する」という意味です。

問題5|次の2文の意味の違いを答えましょう。

He stopped to smoke.
He stopped smoking.

回答を見る

He stopped to smoke.
彼はタバコを吸うために立ち止まりました。

He stopped smoking.
彼はタバコを吸うことをやめました。

stop to doは「〜するために立ち止まる」、stop doingは「〜することをやめる」という違いがあります。

📚️まとめ

不定詞には、基本形以外にもさまざまな発展用法があります。

・完了不定詞:to have+過去分詞
・進行不定詞:to be+ing形
・受動不定詞:to be+過去分詞
・独立不定詞:to tell the truthなど、文全体を修飾する表現
・不定詞と動名詞はどちらも「〜すること」と訳せる場合がある
・want・decideなどはto不定詞を取る
・enjoy・finishなどは動名詞を取る
・remember・stop・tryなどは、不定詞と動名詞で意味が変わる

不定詞と動名詞は、形だけではなく**「どの動詞と一緒に使うのか」「意味がどう変わるのか」**をセットで覚えることが大切です。

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