不定詞は基本的に「to+動詞の原形」の形を使いますが、**toを付けずに動詞の原形だけを使う「原形不定詞」**もあります。
また、不定詞の動作を「誰がするのか」を表す意味上の主語も、不定詞を理解するうえで大切です。
この記事では、原形不定詞を使う使役動詞・知覚動詞と、不定詞の意味上の主語を表す**for A to ~・of A to ~**について、例文を使ってわかりやすく解説します。
原形不定詞とは?
原形不定詞とは、toを付けずに動詞の原形を使う不定詞のことです。
通常のto不定詞と比べてみましょう。
| 種類 | 形 | 例 |
| to不定詞 | to+動詞の原形 | to study |
| 原形不定詞 | 動詞の原形 | study |
原形不定詞はどこでも自由に使えるわけではありません。
代表的なのが、
・使役動詞+人+原形不定詞
・知覚動詞+人・もの+原形不定詞
という形です。
使役動詞+原形不定詞
使役動詞とは、**「人に〜させる」**という意味を表す動詞です。
代表的なものにmake・let・haveがあります。
| 使役動詞 | 基本形 | 主な意味 (イメージ) |
| make | make+人+動詞の原形 | 人に〜させる (強制) |
| let | let+人+動詞の原形 | 人に〜させてあげる・〜することを許す (許可) |
| have | have+人+動詞の原形 | 人に〜してもらう・〜させる (頼む・指示) |
make+人+動詞の原形
《make+人+動詞の原形》
→「人に〜させる」
本人の意思というより、強制的に何かをさせるニュアンスを持つことがあります。
let+人+動詞の原形
《let+人+動詞の原形》
→「人に〜させる」「人が〜することを許す」
makeのように強制するのではなく、相手が何かをすることを許すイメージがあります。
**Let me know.(知らせてください)**など、letを使った表現は日常英語でもよく登場します。
have+人+動詞の原形
《have+人+動詞の原形》
→「人に〜してもらう」「人に〜させる」
仕事や役割として誰かに何かをしてもらう場合などによく使われます。
知覚動詞+原形不定詞
see・hear・feelなど、見る・聞く・感じることを表す動詞を知覚動詞といいます。
《知覚動詞+人・もの+動詞の原形》
| 知覚動詞 | 意味 |
| see | 〜が…するのを見る |
| hear | 〜が…するのを聞く |
| feel | 〜が…するのを感じる |
| watch | 〜が…するのを見る |
原形不定詞と現在分詞の違い
・原形不定詞 : 知覚動詞+人・もの+動詞の原形
・現在分詞 : 知覚動詞+人・もの+動詞のing形
この2つは意味の捉え方に違いがあります。
一般的には、
・動詞の原形:動作全体を捉える
・動詞のing形:動作の途中を捉える
という違いがあります。
「原形不定詞とing形はどちらでも同じ」と覚えないように注意しましょう。
不定詞の意味上の主語とは?
通常、不定詞の動作をする人は、文の主語と同じです。
この文では、
・wantする人 → I
・studyする人 → I
となっています。
しかし、「あなたが勉強すること」のように、不定詞の動作をする人を別に示したい場合があります。
その「不定詞の動作を誰がするのか」を表すものを意味上の主語といいます。
代表的なのが、
《for+人+to不定詞》と《of+人+to不定詞》
です。
for+人+to不定詞
不定詞の動作をする人を表す基本的な形
《for+人+to+動詞の原形》
最初の文では、
you → study English
という関係があります。
つまり、
studyする人はyouです。
このyouがto study Englishの意味上の主語です。
よく使われる形
《It is+形容詞+for+人+to不定詞》
| 表現 | 日本語訳 |
| It is important for A to ~ | Aが~することは重要だ |
| It is difficult for A to ~ | Aが~することは難しい |
| It is easy for A to ~ | Aが~することは簡単だ |
| It is necessary for A to ~ | Aが~することは必要だ |
| It is possible for A to ~ | Aが~することは可能だ |
of+人+to不定詞
人の性格・性質・行動を評価する形容詞を使う場合は、forではなくofを使うことがあります。
《It is+形容詞+of+人+to不定詞》
この形では、
「助けるなんてあなたは親切だ」
「そんな間違いをするなんて彼は不注意だ」
のように、形容詞が人そのものを評価しているのがポイントです。
forとofの違い
forとofは、前にある形容詞を見ると判断しやすくなります。
forを使う場合
行動の難しさ・重要性・必要性などを表します。
It is difficult for me to do it.
→ それをすることが難しい
ofを使う場合
その行動をした人の性格や性質を評価します。
It is kind of you to help me.
→ 助けるあなたが親切だ
見分けるコツ
整理すると次のようになります。
| 形 | ポイント | よく使う形容詞 |
| for+人+to ~ | 行動・状況を評価 | important, difficult, easy, necessary, possible |
| of+人+to ~ | 人の性格・行動を評価 | kind, nice, careless, foolish, clever |
形容詞を使って、「Aは○○だ」と言えるか確認してみましょう。
You are kind.
あなたは親切です。
→ 自然
→ of you
一方、
You are difficult.
あなたは難しいです。
では、「あなたが〜することは難しい」という意味にはなりません。
→ for you
この考え方を使うと、forとofを見分けやすくなります。
問題1|空欄に適切な形を入れましょう。
My mother made me( )my room.
clean / to clean
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clean
make+人の後ろでは原形不定詞を使うため、toを付けません。
問題2|次の英文を日本語に訳しましょう。
I saw him cross the street.
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私は彼が通りを渡るのを見ました。
sawは知覚動詞で、himの後ろに原形不定詞crossが使われています。
問題3|空欄にforまたはofを入れましょう。
It is important( )you to study English.
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for
importantは人の性格ではなく、「勉強すること」の重要性を表しているためforを使います。
問題4|空欄にforまたはofを入れましょう。
It was kind( )her to help me.
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of
kindは「彼女は親切だ」のように、人の性質を評価する形容詞なのでofを使います。
問題5|次の英文の間違いを直しましょう。
She let me to use her computer.
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She let me use her computer.
let+人の後ろではto不定詞ではなく、動詞の原形を使います。
📚️まとめ
原形不定詞は、toを付けずに動詞の原形を使う不定詞です。
・make・let・haveなどの使役動詞の後ろで原形不定詞を使う
・see・hear・feel・watchなどの知覚動詞でも原形不定詞を使う
・知覚動詞+原形は動作全体、ing形は動作の途中を捉えるのが基本
・不定詞の動作をする人を「意味上の主語」という
・基本は「for+人+to不定詞」
・人の性格・行動を評価するときは「of+人+to不定詞」
・for・ofの後ろの人称代名詞はme・him・herなどの目的格にする
まずはmake / let / have+人+動詞の原形と、for+人+to不定詞を確実に覚え、その後に知覚動詞やofを使うパターンへ進むと理解しやすくなります。


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