受動態には、基本の「be動詞+過去分詞」だけでは少し分かりにくい形もあります。
たとえば、目的語が2つある文や、目的語と補語を取る文、複数の単語でひとつの意味を表す句動詞などです。
また、受動態では「by+人」以外の前置詞を使う表現もあります。
この記事では、第4文型・第5文型の受動態、句動詞の受動態、by以外の前置詞、感情を表す受動態、get+過去分詞など、少し発展的な受動態を分かりやすく解説します。
第4文型の受動態
第4文型は、《S+V+O+O》の形を取る文です。
代表的なのが、giveやteachなどを使った「人に物を〜する」という文です。
My father gave me this watch.
父は私にこの時計をくれました。
例えば、この文では
・My father:S
・gave:V
・me:O
・this watch:O
となります。
第4文型には目的語が2つあるため、動詞によってはどちらかの目的語を主語にして受動態を作ることができます。
「人」を主語にする
能動態のmeが主語になるため、目的格のmeから主格のIに変わります。
「物」を主語にする
My father gave me this watch.
父は私にこの時計をくれました。
この文では、this watchを主語にしています。
この場合は、
This watch was given to me ~
のように、giveでは人の前にtoが必要です。
第4文型の受動態では、
人+be動詞+過去分詞+物
または、
物+be動詞+過去分詞+to / for+人
などの形になります。
ただし、すべての第4文型の動詞がまったく同じように2通りの受動態を作れるわけではありません。動詞ごとの語法も確認することが大切です。
代名詞の形に注意する
目的語だった代名詞を受動態の主語にするときは、目的格から主格に変える必要があります。
| 目的格 | 主格 |
| me | I |
| him | he |
| her | she |
| us | we |
| them | they |
usをそのまま主語にするのではなく、weに変えます。
英語では主語に目的格のusを使うことはできません。
× Us were taught English.
第5文型の受動態
第5文型は、《S+V+O+C》の形を取る文です。
第5文型では、O=Cの関係が成り立ちます。
They call him Ken.
彼らは彼をケンと呼びます。
例えばこの文では、
・They:S
・call:V
・him:O
・Ken:C
となり、him=Kenの関係が成り立っています。
受動態にすると、目的語himが主語になります。
目的語himは主語のheになり、補語Kenはそのまま残ります。
つまり、第5文型では、
S+V+O+C
↓
O+be動詞+過去分詞+C
という形になります。
目的語のあとの補語は残る
もうひとつ例を見てみましょう。
能動態では、the wall=whiteという関係があります。
受動態になってthe wallが主語になっても、補語whiteは残ります。
第5文型の受動態では、目的語だけを主語に移し、目的格補語は基本的にそのまま残すと考えると分かりやすくなります。
句動詞の受動態
英語には、
・look after:世話をする
・speak to:話しかける
・laugh at:笑う
・take care of:世話をする
のように、動詞+前置詞などをひとまとまりとして使う表現があります。
このような表現を受動態にするときは、前置詞を勝手に取り除かないようにしましょう。
look afterは「世話をする」というひとまとまりの表現なので、is looked afterとなります。laugh atも同様に、was laughed atとします。
by以外の前置詞を使う受動態
受動態では、動作をした人を表すときにbyを使うのが基本です。
しかし、過去分詞によってはby以外の前置詞と組み合わせる表現があります。
代表的なものを見てみましょう。
| 表現 | 意味 |
| be interested in | 〜に興味がある |
| be surprised at / by | 〜に驚く |
| be known for | 〜で知られている |
| be known to | 〜に知られている |
| be covered with | 〜で覆われている |
| be filled with | 〜で満たされている |
| be made of | 〜でできている |
| be made from | 〜から作られている |
これらは、「受動態だから必ずby」ではないことに注意しましょう。
be made ofとbe made from
材料を表す代表的な表現です。
be made of
材料の形や性質が見て分かる場合によく使います。
テーブルを見ても、材料が木であることが分かります。
be made from
原料が加工され、元の形が分かりにくくなっている場合によく使います。
牛乳が加工されてチーズになっているため、fromを使います。
be known forとbe known to
knownも、後ろの前置詞によって意味が変わります。
be known for
「〜で知られている」という意味です。
be known to
「〜に知られている」という意味です。
for=何で知られているのか
to=誰に知られているのか
と考えると区別しやすくなります。
感情を表す受動態
英語では、感情を表すときにbe動詞+過去分詞の形がよく使われます。
たとえば、
・be interested in:〜に興味がある
・be surprised at / by:〜に驚く
・be excited about:〜にワクワクしている
・be pleased with:〜に満足している
・be satisfied with:〜に満足している
などです。
日本語では「興味を持たされる」「驚かされる」と訳すより、**「興味がある」「驚く」**と訳した方が自然です。
英語と日本語では、感情の捉え方が異なる場合があります。
形だけを直訳するのではなく、自然な日本語に置き換えて理解することが大切です。
interestedとinterestingの違い
感情表現では、過去分詞と現在分詞を混同しやすいので注意しましょう。
interestedは「興味を感じている人」を表します。interestingは「人に興味を感じさせるもの」を表します。
get+過去分詞
受動の意味は、be動詞だけでなくget+過去分詞で表すこともあります。
たとえば、
・get married(結婚する)
・get hurt(けがをする)
・get lost(道に迷う)
・get caught(捕まる)
などがあります。
get+過去分詞は、be動詞を使った受動態よりも変化や出来事が起こったことを強く感じさせることがあります。
また、会話でもよく使われます。
beとgetの違い
He was hurt.
彼はけがをしていました/けがをしました。
He got hurt.
彼はけがをしました。
get hurtでは、「けがをするという状態になった」という変化・出来事が意識されやすくなります。
日本語と英語で受動態の使い方が違うこともある
英語が受動態だからといって、日本語でも必ず「〜される」と訳す必要はありません。
was bornを「生まれさせられた」、is interestedを「興味を持たされている」と直訳すると不自然です。
英文の形を理解したうえで、日本語として自然な意味を考えるようにしましょう。
特殊な受動態を整理しよう
ここまでの内容を整理すると、次のようになります。
| 種類 | 基本的な形 | 例 |
| 第4文型 | 人+be+過去分詞+物 | I was given a book. |
| 第5文型 | O+be+過去分詞+C | He is called Ken. |
| 句動詞 | be+過去分詞+前置詞 | He was laughed at. |
| 材料 | be made of / from | It is made of wood. |
| 感情 | be+過去分詞+前置詞 | I am interested in English. |
| get受動態 | get+過去分詞 | He got hurt. |
すべてを別々の文法として丸暗記するのではなく、まずは**「何が主語になっているのか」「過去分詞の後ろに何が必要なのか」**を確認すると理解しやすくなります。
次の問題に答えましょう。
問題1
次の文を「私」を主語にした受動態にしましょう。
My mother gave me this bag.
問題2
次の文を受動態にしましょう。
They call him Mike.
問題3
( )に適切な語を入れましょう。
He was laughed( )by his classmates.
問題4
( )にofまたはfromを入れましょう。
This chair is made( )wood.
問題5
( )に適切な前置詞を入れましょう。
Kyoto is known( )its beautiful temples.
問題6
正しい英文を選びましょう。
A.I am interesting in English.
B.I am interested in English.
問題7
次の日本語をget+過去分詞を使って英語にしましょう。
「彼はその事故でけがをしました。」
問題8
次の英文を自然な日本語に訳しましょう。
I was born in Japan.
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1.I was given this bag by my mother.
能動態の目的語meを主語Iに変え、「was+given」で受動態を作ります。
2.He is called Mike.
第5文型では目的語himを主語heにして、補語Mikeはそのまま残します。
3.at
laugh atで「〜を笑う」というひとまとまりの表現なので、受動態でもatを残します。
4.of
木という材料が分かるため、be made ofを使います。
5.for
be known forは「〜で知られている」という意味です。
6.B.I am interested in English.
「私は〜に興味がある」と感情を表す場合はinterestedを使います。
7.He got hurt in the accident.
get+過去分詞を使うことで、「けがをする」という変化・出来事を表せます。
8.私は日本で生まれました。
was bornは形としては受動態ですが、日本語では「生まれた」と訳すのが自然です。
まとめ
特殊な受動態も、基本となる考え方は「be動詞+過去分詞」と同じです。
・第4文型では、目的語を主語にして受動態を作る
・第5文型では、目的語が主語になり、補語は基本的に残る
・句動詞は前置詞までひとまとまりとして扱う
・過去分詞によってはby以外の前置詞を使う
・be made ofとbe made fromでは材料・原料の捉え方が異なる
・感情表現ではbe interested inなどがよく使われる
・get+過去分詞で変化や出来事を表すこともできる
・英語の受動態を日本語で必ず「〜される」と訳す必要はない
特殊な形をすべて暗記するよりも、受動態の基本を理解したうえで、動詞と前置詞をセットで覚えることが大切です。


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