英語の仮定法には、「もし〜なら」というifを使う表現だけでなく、提案・要求・必要性を表す仮定法現在や、without・but forなどを使った仮定表現もあります。
例えば、「彼が時間どおりに来ることが重要だ」「あなたの助けがなければ、成功できなかっただろう」といった英文です。
この記事では、仮定法現在の基本から、ifを使わない仮定表現、otherwise・orを使った表現まで、例文とともにわかりやすく解説します。
1.仮定法現在とは?
仮定法現在とは、提案・要求・命令・必要性などを表す文で、that節の動詞に原形を使う表現です。
例えば、「彼が時間どおりに来ることが重要だ」という文を考えてみましょう。
通常、主語がheの場合、be動詞はisになります。
しかし、この文では「重要である」という必要性を表しているため、that節にbe動詞の原形beが使われています。
▼仮定法現在の特徴
| 項目 | 内容 |
| 主な意味 | 提案・要求・命令・必要性 |
| 動詞の形 | 原形 |
| 三単現のs | 付けない |
| be動詞 | 主語に関係なくbe |
| 主な使用場面 | 提案・要求・規則・必要性を述べる文 |
仮定法現在は、特にアメリカ英語のフォーマルな文章などでよく使われます。
2.仮定法現在の基本形
仮定法現在は、主に提案・要求・命令などを表す動詞の後ろで使われます。
▼基本形
主語+提案・要求などを表す動詞+that+主語+動詞の原形.
=「〜が…するように提案する/要求する」
| 動詞 | 意味 |
| suggest | 提案する |
| recommend | 勧める |
| demand | 強く要求する |
| insist | 強く要求する |
| request | 要請する |
| propose | 提案する |
| require | 要求する |
これらの文では、that節の主語がhe・sheであっても、動詞に三単現のsを付けません。
また、主節が過去形であっても、that節では動詞の原形を使います。
仮定法現在では、that節の主語や主節の時制に関係なく、 動詞の原形を使います。
主語がhe・she・itの場合でも、 三単現のsは付けません。
shouldを使う形
仮定法現在では、動詞の原形の代わりにshould+動詞の原形を使うこともあります。
特にイギリス英語では、shouldを使う表現も一般的です。
どちらも提案を表し、基本的な意味は同じです。
3.形容詞の後ろで使う仮定法現在
仮定法現在は、動詞だけでなく、重要性・必要性などを表す形容詞の後ろでも使われます。
▼基本形
It is+形容詞+that+主語+動詞の原形.
=「〜が…することは重要だ/必要だ」
通常の現在形とは異なり、he・sheの後ろでもsubmit・arriveなどの原形を使います。
なお、すべての形容詞の後ろで仮定法現在を使うわけではありません。主に「必要性」や「要求」を表す場合に使われます。
▼よく使われる形容詞
| 形容詞 | 意味 |
| important | 重要な |
| necessary | 必要な |
| essential | 不可欠な |
| vital | 極めて重要な |
| imperative | 必須の |
4.仮定法現在の否定文
仮定法現在を否定するときは、not+動詞の原形を使います。
通常の現在形とは異なり、don’tやdoesn’tは使いません。
▼基本形
that+主語+not+動詞の原形
=「〜が…しないこと」
仮定法現在の否定形は、 not+動詞の原形です。
doesn’t goではなく、 not goの形を使います。
5.ifを使わない仮定表現とは?
英語では、ifを使わなくても「もし〜なら」「もし〜がなければ」という仮定を表すことができます。
代表的なのが、次の表現です。
| 表現 | 主な意味 |
| without | 〜がなければ |
| but for | 〜がなければ |
| otherwise | そうでなければ |
| or | さもないと |
| with | 〜があれば |
これらの表現は、仮定法過去や仮定法過去完了と組み合わせて使われることがあります。
6.without・but forを使った仮定表現
withoutとbut forは、どちらも「〜がなければ」という意味を表します。
▼基本形
Without / But for+名詞, 主語+would / could / might+動詞の原形.
=「〜がなければ、…するのに」
過去の事実とは異なる仮定では、主節にwould have+過去分詞などを使います。
① without|〜がなければ
withoutの後ろには、名詞や代名詞などを置きます。
② but for|〜がなければ
but forは、withoutと似た意味を持ちますが、やや改まった表現です。
▼if節への書き換え
withoutやbut forを使った文は、if節を使った仮定法に書き換えられることがあります。
どちらも過去の事実とは異なる仮定を表しています。
without・but for+名詞は、 「〜がなければ」という仮定を表せます。
現在の仮定ではIf it were not for …、 過去の仮定ではIf it had not been for …に 書き換えられることがあります。
7.otherwise・orを使った仮定表現
otherwiseやorも、条件を表すときに使われます。
どちらも「そうでなければ」「さもないと」という意味ですが、使い方に違いがあります。
① otherwise|そうでなければ
otherwiseは、前に述べた状況とは異なる場合を表します。
otherwiseは、文脈によって現在や未来の条件にも使えます。
② or|さもないと
orは、命令文などの後ろに置いて、条件が満たされなかった場合の結果を表せます。
ただし、orを使った条件文がすべて仮定法になるわけではありません。
上の例文は、実際に起こり得る未来の結果を表す普通の条件表現です。
▼otherwiseとorの違い
| 表現 | 役割 | 特徴 |
| otherwise | 前の状況と異なる場合を示す | 仮定法と組み合わせやすい |
| or | 前の行動をしなかった場合の結果を示す | 命令文と組み合わせることが多い |
8.withを使った仮定表現
withは「〜があれば」という意味で、仮定的な条件を表すことがあります。
▼基本形
With+名詞, 主語+would / could / might+動詞の原形.
=「〜があれば、…するのに」
withは「〜と一緒に」という意味だけでなく、文脈によって「〜があれば」という条件を表すこともあります。
9.仮定法現在・ifを使わない仮定表現の見分け方|3ステップ
仮定法現在とifを使わない仮定表現は、次の3ステップで見分けましょう。
suggest・importantなどの後ろにthat節があるか、 without・but forなどの表現が使われているか確認します。
Without your help, I would have failed.
この文ではwithoutが使われているため、 ifを使わない仮定表現だと分かります。
仮定法現在なら動詞の原形、 仮定表現なら主節のwould・couldなどの形を確認します。
I would have failed.
would have+過去分詞なので、過去の事実とは異なる仮定を表しています。
条件を表す部分と、仮定した場合の結果を組み合わせます。
「あなたの助けがなければ、私は失敗していただろうに」
過去に助けてもらったことを前提に、 助けがなかった場合の結果を想像しています。
10.よくある間違い
① 仮定法現在で三単現のsを付けてしまう
❌ 誤った文
I suggest that he studies harder.
⭕ 正しい文
I suggest that he study harder.
私は彼がもっと一生懸命勉強することを提案します。
提案を表す仮定法現在では、 主語がheでも動詞の原形を使います。
② 仮定法現在の否定文にdoesn’tを使ってしまう
❌ 誤った文
It is important that he doesn’t be late.
⭕ 正しい文
It is important that he not be late.
彼が遅刻しないことが重要です。
仮定法現在の否定形は、 not+動詞の原形を使います。
③ withoutの後ろに通常のif節を続けてしまう
❌ 誤った文
Without if you helped me, I would have failed.
⭕ 正しい文
Without your help, I would have failed.
あなたの助けがなければ、私は失敗していただろうに。
withoutの後ろには、基本的に 名詞・代名詞・動名詞などを置きます。 if節をそのまま続けることはできません。
11.練習問題
仮定法現在とifを使わない仮定表現の理解度を確認しましょう。
問題1|空欄に適切な形を入れましょう。
I suggest that he( )harder.
(study)
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study
提案を表す仮定法現在なので、主語がheでも動詞の原形を使います。
問題2|正しい語を選びましょう。
It is important that she(be / is)on time.
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be
必要性・重要性を表すthat節では、仮定法現在のbeを使います。
問題3|空欄に適切な語を入れましょう。
( )your help, I would have failed.
あなたの助けがなければ、私は失敗していただろうに。
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Without / But for
どちらも「〜がなければ」という意味を表し、過去の事実とは異なる仮定に使えます。
問題4|日本語に合う英文を作りましょう。
私は彼が一人でそこへ行かないよう提案します。
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I suggest that he not go there alone.
仮定法現在の否定形では、not+動詞の原形を使います。
問題5|ifを使った仮定法に書き換えましょう。
Without your advice, I would have made a mistake.
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If it had not been for your advice, I would have made a mistake.
過去の事実とは異なる仮定なので、If it had not been for …を使います。
12.まとめ
仮定法現在は、提案・要求・必要性などを表すthat節で、動詞の原形を使う表現です。
一方、ifを使わない仮定表現では、without・but for・otherwiseなどを使って、条件や仮定した結果を表します。
| 表現 | 重要ポイント |
| 仮定法現在 | that節の動詞は原形 |
| 仮定法現在の否定 | not+動詞の原形 |
| without | 〜がなければ |
| but for | 〜がなければ |
| otherwise | そうでなければ |
| or | さもないと |
| with | 〜があれば |
特に、仮定法現在では動詞の原形を使うこと、ifがなくても仮定を表せることの2点を押さえておきましょう。これで仮定法の5つの子記事の学習は完了です。
仮定法過去・仮定法過去完了・仮定法未来・重要表現とあわせて復習すると、仮定法全体の理解が深まります。


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