仮定法未来・ifの省略と倒置|意味・作り方・使い分けを例文付きで解説

「万が一雨が降ったら、試合は中止になるだろう」
「もし彼が来るようなことがあれば、知らせてください」

英語では、このように未来に起こる可能性が低いことや、万が一の状況を仮定するときに、仮定法未来と呼ばれる表現を使うことがあります。
また、仮定法ではifを省略し、語順を入れ替える「倒置」という表現も使われます。

この記事では、仮定法未来の基本から、should・were toの違い、ifの省略と倒置の作り方まで、例文とともにわかりやすく解説します。

1.仮定法未来とは?

仮定法未来とは、未来に起こる可能性が低いことや、実現を想像しにくいことを仮定する表現です。

代表的な形には、shouldを使う形とwere toを使う形があります。

まずは、次の英文を見てみましょう。

If it should rain tomorrow, the game will be canceled.
万が一明日雨が降ったら、試合は中止になります。
If I were to win the lottery, I would travel around the world.
もし宝くじに当たるようなことがあれば、世界中を旅行するのに。

どちらも未来の出来事を仮定していますが、ニュアンスには違いがあります。

表現主な意味ニュアンス
If+主語+should+動詞の原形万が一〜したら起こる可能性が低い出来事への備え
If+主語+were to+動詞の原形もし〜するようなことがあれば現実から離れた未来の仮定

なお、「仮定法未来」は日本の学校文法で使われる分類です。shouldを使う条件文は、主節にwillや命令文などを取ることもあり、すべてが仮定法過去と同じ形になるわけではありません。

2.shouldを使った仮定法未来

shouldを使う形は、未来に起こる可能性が低い出来事を「万が一〜したら」と仮定するときに使います。

▼基本形
If+主語+should+動詞の原形, 主語+will / would / can / couldなど+動詞の原形.
=「万が一〜したら、…する/…するだろう」

主節には命令文も使えます。

If it should snow tomorrow, we will stay home.
万が一明日雪が降ったら、私たちは家にいるつもりです。
If you should need help, please call me.
万が一助けが必要になったら、電話してください。
If he should change his mind, I would be surprised.
万が一彼が考えを変えたら、私は驚くだろう。

shouldを使うと、単なる未来の条件よりも「万が一」というニュアンスが強くなります。

▼普通の条件文との違い

次の2つを比較してみましょう。

If it rains tomorrow, we will stay home.
もし明日雨が降ったら、家にいます。
If it should rain tomorrow, we will stay home.
万が一明日雨が降ったら、家にいます。

普通の条件文では、雨が降ることを現実的な可能性として考えています。

一方、shouldを使った文では、雨が降る可能性は低いと考えながら、その場合に備えているニュアンスがあります。

💡 ポイント

If+主語+should+動詞の原形は、 「万が一〜したら」という意味を表します。

主節にはwill・wouldなどを使うほか、 命令文を続けることもできます。

3.were toを使った仮定法未来

were toを使う形は、未来の出来事を現実から離れた仮定として想像するときに使います。

実現の可能性が低いことだけでなく、仮に起こった場合を想像する表現としても使われます。

▼基本形
If+主語+were to+動詞の原形, 主語+would / could / might+動詞の原形.
=「もし〜するようなことがあれば、…するのに」

If I were to become famous, I would write a book.
もし私が有名になるようなことがあれば、本を書くのに。
If the sun were to disappear, life on Earth would end.
もし太陽が消えるようなことがあれば、地球上の生命は終わってしまうだろう。
If she were to move abroad, we could keep in touch online.
もし彼女が海外に引っ越すようなことがあれば、オンラインで連絡を取り合えるのに。

⚠️were toの注意点

were toの後ろには、必ず動詞の原形を置きます。
また、主語がI・he・she・itの場合でも、基本的にwereを使います。

💡 ポイント

were to+動詞の原形は、 未来の出来事を現実から離れた仮定として表します。

主語がI・he・sheなどの場合でも、 were toを使うのが基本です。

4.shouldとwere toの違い

shouldとwere toは、どちらも未来の仮定を表しますが、使い方が異なります。

比較項目shouldwere to
基本の意味万が一〜したらもし〜するようなことがあれば
ニュアンス起こる可能性が低い出来事への備え現実から離れた仮定
主節will・would・命令文など通常would・could・mightなど
使い方実際に起きた場合の対応にも使う仮想的な結果を想像する
If he should come tomorrow, please tell me.
万が一彼が明日来たら、私に教えてください。
If he were to come tomorrow, I would be surprised.
もし彼が明日来るようなことがあれば、私は驚くだろう。

shouldは「来た場合の対応」、were toは「来たと仮定した場合の結果」を表しています。

ただし、両者の意味が重なる場面もあります。必ずしも実現可能性だけで明確に区別できるわけではありません。

5.ifの省略と倒置とは?

仮定法では、ifを省略して、主語と助動詞などの語順を入れ替えることがあります。

この表現を倒置といいます。

例えば、次の2つの英文はほぼ同じ意味です。

If I were you, I would accept the offer.
もし私があなたなら、その申し出を受け入れるでしょう。
Were I you, I would accept the offer.
もし私があなたなら、その申し出を受け入れるでしょう。

ifを省略した文では、wereが主語Iの前に移動しています。

倒置は、通常のif節よりも改まった印象を与え、書き言葉やフォーマルな表現でよく使われます。

▼倒置に使われる3つの形

元の形ifを省略した形
If+主語+were …Were+主語 …
If+主語+had+過去分詞 …Had+主語+過去分詞 …
If+主語+should+動詞の原形 …Should+主語+動詞の原形 …

すべてのif節で自由に倒置できるわけではありません。まずはこの3つを覚えましょう。

6.ifの省略と倒置の3つのパターン

① wereを使った倒置
 =If+主語+were … → Were+主語 …

仮定法過去でwereを使っている場合、ifを省略し、wereを主語の前に置くことができます。

If I were rich, I would buy a big house.
もし私がお金持ちなら、大きな家を買うのに。
Were I rich, I would buy a big house.
もし私がお金持ちなら、大きな家を買うのに。

wereを主語の前に移動するだけで、意味は基本的に変わりません。

② hadを使った倒置
=If+主語+had+過去分詞 … → Had+主語+過去分詞 …

仮定法過去完了では、ifを省略してhadを主語の前に置くことができます。

If I had known the truth, I would have helped her.
もし真実を知っていたら、彼女を助けていたのに。
Had I known the truth, I would have helped her.
もし真実を知っていたら、彼女を助けていたのに。

hadを文頭に移動し、その後ろに主語と過去分詞を続けます。

③ shouldを使った倒置
 =If+主語+should+動詞の原形 … → Should+主語+動詞の原形 …

shouldを使った未来の条件文でも、ifを省略できます。

If you should need help, please contact us.
万が一助けが必要になったら、私たちに連絡してください。
Should you need help, please contact us.
万が一助けが必要になったら、私たちに連絡してください。

Should you need help, … は、ビジネスメールや案内文でも使われる丁寧な表現です。

7.ifの省略と倒置の作り方|3ステップ

倒置の英文を作るときは、次の3ステップで考えましょう。

例として、If I had known the truth, I would have helped her. を倒置に変えてみます。

STEP 1
if節の形を確認する

まず、if節にwere・had・shouldのどれが使われているか確認します。

If I had known the truth,

この文では、had+過去分詞が使われています。

↓
STEP 2
ifを省略してhadを文頭に移動する

ifを取り除き、hadを主語の前に置きます。

Had I known the truth,

「Had+主語+過去分詞」の語順になります。

↓
STEP 3
主節をそのまま続ける

if節を倒置しても、基本的に主節の形は変えません。

I would have helped her.

倒置した条件節と組み合わせて、英文を完成させます。

Had I known the truth, I would have helped her.
もし真実を知っていたら、彼女を助けていたのに。

このように、ifを省略して語順を入れ替えるだけで、より改まった英文を作ることができます。

8.仮定法未来・倒置でよくある間違い

① were toの後ろを過去形にしてしまう

were toの後ろには、動詞の原形を使います。

⚠️ よくある間違い

❌ 誤った文

If I were to won the lottery, I would buy a house.

⭕ 正しい文

If I were to win the lottery, I would buy a house.

もし宝くじに当たるようなことがあれば、家を買うのに。

were toの後ろには、過去形のwonではなく、動詞の原形winを使います。

② ifを残したまま倒置してしまう

倒置を使う場合は、ifを省略します。

⚠️ よくある間違い

❌ 誤った文

If were I rich, I would travel abroad.

⭕ 正しい文

Were I rich, I would travel abroad.

もし私がお金持ちなら、海外旅行に行くのに。

ifを省略したら、Were+主語の語順にします。

③ 倒置した後も通常の語順にしてしまう

ifを省略した場合、had・were・shouldを主語の前に置きます。

⚠️ よくある間違い

❌ 誤った文

I had known the truth, I would have helped her.

⭕ 正しい文

Had I known the truth, I would have helped her.

もし真実を知っていたら、彼女を助けていたのに。

ifを省略した仮定法過去完了では、Had+主語+過去分詞の語順にします。

9.練習問題

仮定法未来とifの省略・倒置について、理解度を確認しましょう。

✏️ 練習問題

問題1|空欄に適切な語を入れましょう。

If it(   )rain tomorrow, we will stay home.

万が一明日雨が降ったら、家にいます。

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should

「万が一〜したら」という意味なので、should+動詞の原形を使います。

問題2|正しい語を選びましょう。

If I were to(win / won)the lottery, I would buy a house.

回答を見る

win

were toの後ろには動詞の原形を置きます。

問題3|ifを省略した倒置の文に書き換えましょう。

If I were you, I would accept the offer.

回答を見る

Were I you, I would accept the offer.

ifを省略し、wereを主語Iの前に移動します。

問題4|ifを省略した倒置の文に書き換えましょう。

If she had known the truth, she would have helped us.

回答を見る

Had she known the truth, she would have helped us.

仮定法過去完了では、ifを省略してhadを主語の前に置きます。

問題5|ifを省略した倒置の文に書き換えましょう。

If you should need help, please contact us.

回答を見る

Should you need help, please contact us.

ifを省略し、shouldを主語youの前に移動します。

10.まとめ

仮定法未来は、未来に起こる可能性が低いことや、現実から離れた状況を仮定するときに使います。

・should:「万が一〜したら」という条件を表す
・were to:「もし〜するようなことがあれば」という仮定を表す
・shouldの主節にはwillや命令文なども使える
・were toの主節には通常would・could・mightなどを使う
・ifを省略する倒置では、were・had・shouldを主語の前に置く
・倒置は、書き言葉やフォーマルな場面でよく使われる

特に、Were+主語、Had+主語、Should+主語の3つを覚えておくと、仮定法の倒置を理解しやすくなります。

次の記事では、願望や現実とは異なる想像を表す「I wish・as ifと仮定法の重要表現」について解説します。

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