仮定法の基本・仮定法過去|意味・作り方・使い方をわかりやすく解説

「もしお金持ちだったら、世界中を旅行するのに」

このように、実際の状況とは異なることを想像して話すときに使うのが「仮定法」です。

仮定法では、現在のことを話していても動詞の過去形を使うなど、通常の英文とは異なるルールがあります。

この記事では、仮定法の基本から仮定法過去の作り方、直説法との違いまで、例文を使ってわかりやすく解説します。

1. 仮定法とは?

仮定法とは、現実とは異なることや、実現の可能性が低いことを仮定して表す方法です。

例えば、「もし私が鳥だったら、空を飛べるのに」という文を考えてみましょう。

実際には人間は鳥ではありませんが、仮定法を使えば、このような想像を英語で表現できます。

If I were a bird, I could fly in the sky.
もし私が鳥だったら、空を飛べるのに。

この文では、実際には起こり得ないことを想像しているため、仮定法が使われています。

▼仮定法の主な種類

仮定法には、主に次のような種類があります。

種類表す内容
仮定法過去現在の事実とは異なる仮定など
仮定法過去完了過去の事実とは異なる仮定
仮定法未来実現の可能性が低い未来の仮定など
混合仮定法過去の仮定と現在の結果などを組み合わせる

この記事では、最も基本となる「仮定法過去」を中心に学習します。

2.直説法と仮定法の違い

英語では、現実に起こり得ることを条件として述べる場合と、現実とは異なることを仮定する場合で、動詞の形が変わります。

まずは、次の2つの英文を比較してみましょう。

① 直説法を使った条件文

If I have time, I will go shopping.
もし時間があれば、買い物に行きます。

この文は、実際に時間ができる可能性を考えた条件文です。
if節には現在形のhave、主節にはwill goが使われています。

② 仮定法過去を使った文

If I had time, I would go shopping.
もし時間があれば、買い物に行くのに。

こちらは、「実際には時間がない」という状況を想定した文です。
if節には過去形のhad、主節にはwould goが使われています。

▼直説法と仮定法過去の比較

比較項目直説法の条件文仮定法過去
意味現実に起こり得る条件現実とは異なる仮定など
if節現在形過去形
主節willなどwouldなど
日本語訳 もし〜なら、…するもし〜なら、…するのに
💡 ポイント

仮定法過去では、現在のことを表していても動詞の過去形を使います。

この「過去形」は、時間的な過去ではなく、現実との距離を表すために使われています。

3.仮定法過去の基本形

仮定法過去は、現在の事実とは異なることや、実現の可能性が低いことを仮定するときに使います。

基本の形は次のとおりです。

If+主語+動詞の過去形, 主語+would / could / might+動詞の原形.
=「もし〜なら、…するのに」

例えば、「もし私がお金持ちなら、大きな家を買うのに」という英文を作ってみましょう。

If I were rich, I would buy a big house.
もし私がお金持ちなら、大きな家を買うのに。

この文は、次の2つの部分からできています。

文の部分英文役割
if節 If I were rich仮定する条件
主節I would buy a big house仮定した場合の結果

if節ではwere、主節ではwould buyが使われています。

If I had more money, I would travel abroad.
もっとお金があれば、海外旅行に行くのに。
If I spoke English well, I could work abroad.
英語が上手に話せれば、海外で働けるのに。
If she lived nearby, we could meet more often.
もし彼女が近くに住んでいれば、もっと頻繁に会えるのに。

いずれも、現実とは異なる状況を想像していることがポイントです。

4.would・could・mightの使い分け

仮定法過去の主節では、wouldだけでなく、couldやmightも使われます。

それぞれの意味を確認しましょう。

助動詞意味ニュアンス
would 〜するのに仮定した場合の結果
could 〜できるのに能力・可能性
might〜するかもしれない不確かな可能性

① would|〜するのに

wouldは、仮定した条件が実現した場合に、どうなるかを表します。

If I had a car, I would drive to work.
車を持っていれば、車で通勤するのに。

「実際には車を持っていないけれど、持っていれば車で通勤するだろう」という意味です。

② could|〜できるのに

couldは、仮定した条件が実現すれば、何かができることを表します。

If I had a car, I could drive to work.
車を持っていれば、車で通勤できるのに。

wouldが「通勤するだろう」という結果を表すのに対し、couldは「通勤できる」という可能性を表しています。

③ might|〜するかもしれない

mightは、仮定した条件が実現した場合に、何かが起こる可能性を表します。

If I had a car, I might drive to work.
車を持っていれば、車で通勤するかもしれない。

車を持っていたとしても、実際に車で通勤するかどうかは分からない、というニュアンスです。

💡 ポイント

would・could・mightの後ろには、必ず動詞の原形を置きます。

5.仮定法過去のbe動詞はwereを使う

仮定法過去では、be動詞の使い方に注意が必要です。

通常の過去形では、主語によってwasとwereを使い分けます。
しかし、仮定法過去では、主語がI・he・sheなどでもwereを使うのが伝統的な基本形です。

主語通常の過去形仮定法過去
Iwaswere
Youwerewere
He / She / Itwaswere
We / Theywerewere
If I were a bird, I could fly in the sky.
もし私が鳥だったら、空を飛べるのに。
If he were here, he would help us.
もし彼がここにいれば、私たちを助けてくれるのに。
If she were my teacher, I would be happy.
もし彼女が私の先生だったら、うれしいのに。

wasは使えないの?

実際の英会話では、If I was ~やIf he was ~のようにwasを使うこともあります。
ただし、学校文法や試験では、仮定法過去の基本形としてwereを覚えておくとよいでしょう。

よく使う表現|If I were you

If I were you, ~ は「もし私があなたなら〜」という意味で、相手に助言するときによく使われます。

If I were you, I would accept the offer.
もし私があなたなら、その申し出を受け入れるでしょう。
If I were you, I would study harder.
もし私があなたなら、もっと一生懸命勉強するでしょう。

6.仮定法過去の否定文

仮定法過去では、if節や主節を否定形にすることもできます。

① if節を否定する場合

一般動詞の場合は、didn’t+動詞の原形を使います。

If I didn’t have work tomorrow, I would go out tonight.
もし明日仕事がなければ、今夜出かけるのに。

この文では、「明日は仕事がある」という現実とは異なる条件を表しています。

② 主節を否定する場合

主節では、would not(wouldn’t)などを使います。

If I were you, I wouldn’t buy that car.
もし私があなたなら、その車は買わないでしょう。

否定する位置によって意味が変わるため、どちらの部分を否定しているか確認しましょう。

7.仮定法過去の作り方|3ステップ

STEP 1
現実とは異なる条件を考える

まずは、現実とは異なる状況を想像します。

「もっと時間があれば、英語を勉強するのに」

実際には時間が十分にない状況を想定しています。

↓
STEP 2
if節の動詞を過去形にする

仮定する条件を「If+主語+動詞の過去形」で表します。

If I had more time,

「もしもっと時間があれば」という意味です。現在のことでも、動詞の過去形を使います。

↓
STEP 3
主節にwouldなどを使う

仮定した場合の結果を「主語+would / could / might+動詞の原形」で表します。

I would study English.

「英語を勉強するのに」という意味です。wouldの後ろには動詞の原形を置きます。

If I had more time, I would study English.
もっと時間があれば、英語を勉強するのに。

この3ステップを覚えると、日本語から仮定法過去の英文を作りやすくなります。

8.仮定法過去でよくある間違い

仮定法過去では、if節の動詞の形や、would・could・mightの後ろに置く動詞の形を間違えやすいため、注意が必要です。

① if節にwouldを入れてしまう

仮定法過去の基本形では、if節に動詞の過去形を使い、主節にwouldなどを使います。

⚠️ よくある間違い

❌ 誤った文

If I would have money, I would buy a car.

⭕ 正しい文

If I had money, I would buy a car.

もしお金があれば、車を買うのに。

仮定法過去の基本形では、if節にwouldを使わず、 動詞の過去形を使います。

② wouldの後ろを過去形にしてしまう

would・could・mightの後ろには、動詞の原形を置きます。

⚠️ よくある間違い

❌ 誤った文

If I had time, I would went shopping.

⭕ 正しい文

If I had time, I would go shopping.

もし時間があれば、買い物に行くのに。

wouldの後ろには、過去形のwentではなく、 動詞の原形goを使います。

③ 仮定法過去を過去の話だと勘違いする

仮定法過去は、名前に「過去」と付いていますが、基本的には現在の事実とは異なることなどを表します。

⚠️ よくある間違い

❌ 誤った解釈

If I were rich, I would buy a house.

もし私がお金持ちだったなら、家を買っていただろう。

⭕ 正しい解釈

If I were rich, I would buy a house.

もし私がお金持ちなら、家を買うのに。

仮定法過去の過去形は、時間的な過去ではなく、 現実との距離を表しています。 過去の事実とは異なる仮定には、仮定法過去完了を使います。

💡 ポイント

仮定法過去では、if節は動詞の過去形、主節はwould・could・might+動詞の原形が基本です。

また、現在の事実とは異なる仮定などを表すため、 過去形だからといって過去の出来事を意味するわけではありません。

9.仮定法過去と仮定法過去完了の違い

最後に、2つの違いを簡単に確認しておきましょう。

種類表す内容if節の形
仮定法過去現在の事実とは異なる仮定など動詞の過去形
仮定法過去完了過去の事実とは異なる仮定 had+過去分詞

仮定法過去

If I had more money, I would buy a car.
もっとお金があれば、車を買うのに。

現在の事実とは異なる仮定を表しています。

仮定法過去完了

If I had had more money, I would have bought a car.
もっとお金があったなら、車を買っていたのに。

過去の事実とは異なる仮定を表しています。

詳しい作り方は、次の子記事「仮定法過去完了・混合仮定法」で解説します。

10.練習問題

ここまで学習した内容を確認してみましょう。
各問題の下にある「回答を見る」を押すと、正解と解説を確認できます。

✏️ 練習問題

問題1|空欄に適切な語を入れましょう。

If I(   )rich, I would travel around the world.

回答を見る

were

現在の事実とは異なる仮定なので仮定法過去を使います。be動詞はwereが基本です。

問題2|正しい語を選びましょう。

If I had more time, I(would / will)study English.

回答を見る

would

仮定法過去の主節ではwould+動詞の原形を使います。

問題3|空欄に適切な形を入れましょう。

If she(   )English well, she could work abroad.
(speak)

回答を見る

spoke

仮定法過去のif節では動詞の過去形を使います。speakの過去形はspokeです。

問題4|日本語に合う英文を作りましょう。

もし私があなたなら、その申し出を受け入れるでしょう。

回答を見る

If I were you, I would accept the offer.

If I were youは「もし私があなたなら」という定番の仮定表現です。

問題5|誤った英文を正しく書き換えましょう。

If I had a car, I would drove to work.

回答を見る

If I had a car, I would drive to work.

wouldの後ろには動詞の原形を置くため、droveではなくdriveを使います。

11.まとめ

仮定法過去は、現在の事実とは異なることや、実現の可能性が低いことなどを仮定するときに使います。

・基本形は「If+主語+過去形, 主語+would / could / might+動詞の原形」
・現在のことを表していても過去形を使う
・wouldは結果、couldは能力・可能性、mightは不確かな可能性を表す
・be動詞はwereが基本
・主節の助動詞の後ろには動詞の原形を置く
・普通の条件文と仮定法の違いを理解することが大切

まずは「If I were you, ~」「If I had ~, I would …」などの基本表現を覚え、自分でも英文を作ってみましょう。

次の記事では、**過去の事実とは異なることを表す「仮定法過去完了」と、過去と現在を結びつける「混合仮定法」**について解説します。

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